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MoMoさんによる連載コラム:プロフィール

MoMoのプロフィール
90年に大学の薬学部卒業
製薬会社の地方支店で管理薬剤師として3年間勤務後、オーストラリア人の夫との結婚を機に会社を退職し、調剤薬局などに勤める。
96年にオーストラリアに移住。APECのプロセスを経て、04年より病院薬剤師としてブリスベンの公立病院で働き始め、現在に至る。


まえがき
まず始めに、このような機会を与えていただいたナルキチさんに感謝の意を表します。
私がオーストラリアで薬剤師になろうと決意したのは、93年の来豪時にある薬局に立ち寄ったときに、「外国の薬剤師ならば大学に行き直さなくても、オーストラリアの薬剤師免許を取る道がある」と、薬局のオーナーに教えてもらったからです。そのときから実に10年余りを経て、実際にオーストラリアの薬剤師免許を取得できたわけですが、それまでに私が経験したことや試験対策に役立つ知識などを、文章化して残しておきたいと思いながらも、特に何をするまでもなく現在に至りました。
先日ナルキチさんのブログを拝見し、現在オーストラリアには沢山の日本人薬剤師の方々が、オーストラリアの薬剤師免許を取得するべく奮闘していらっしゃることを知りました。ここに私の経験談を寄稿させていただくことで、これから免許取得を目指す方、または既に勉強中の方々の励みになれば幸いです。
この手記では、英語のコース、OET(=Occupational English Test)、APEC (= Australian Pharmacy Examining Committee)のプロセスについて、私の経験を述べさせて頂きたいと思います。なお、OET,とAPECについては、下のリンクをご覧ください。 http://www.apec.asn.au/APC_index.html






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MoMoさんによる連載コラム1:ゼロからの出発

1)オーストラリアの薬学の知識ゼロ&日常会話がやっとの英語力からの出発

私がオーストラリア人の夫と共にオーストラリアに移住したのは、96年の初めでした。
まえがきにも書いたように、オーストラリアの薬剤師になろうと決意したのは93年でしたが、それから3年間は日本で暮らし、特にこれといった勉強などはしませんでした。
もちろん英語のネイティブスピーカーである夫と暮らしているので、その間にリスニング力やスピーキング力はそれなりについたと思うのですが、それでも日常会話がやっとのレベルでした。

移住後、永住権保持者のための政府の無料英語コース(AMEP = Adult Migrant English Programme)に進むにあたって、ISLPRという英語力のアセスメントを受けたのですが、そのときのレベルは、Reading, Writing, Speaking, Listeningともにオール「1+」(IELTS 3-4に相当)という、散々な出来でした。ちなみにISLPRのスコアは、0が全く英語が解らない状態で5がNative English Speakerのレベルです。

AMEPのコースではIntermediate (中級)のクラスに振り分けられ、96年の7月からコースに通い始めました。そのコースのレベルが私の当時の英語力に合っていたのと、良い先生に恵まれたので、半年でISLPRオール「2+」(IELTS 5に相当)にまで上達することが出来ました。その頃先生に強く奨められ、また実際に自分で使ってみて非常に役に立った本がありますので紹介します。
Cambridge University Pressから出ている本で、“English Grammar in Use”著者Raymond Murphy です。内容は日本の中学・高校で習うレベルの英文法なのですが、平易な英語で解り易く、また内容も深く説明されているので、日本の英文法の本で勉強するよりも、より深く英語を理解することが出来ると思います。私はこの本の問題集を全てやったことで、Writingに自信を持つことが出来るようになりました。

AMEPの中級クラスを修了した後は、EAP (= English for Academic Purpose) という、大学進学希望者を対象にした英語のクラスに進みました。この頃、Pharmacy Assistant Course Grade 1にも同時に通い、更に薬局でアシスタントとしてワークエクスペリエンス(無給)を始めました。
Pharmacy Assistant CourseというのはPharmacy Guildが主催している、薬局アシスタントを目指す人の為のコースです。日本の薬局ならば、経験がなくともとりあえず雇って、働いていく過程で仕事を覚えてもらうのが一般的ですが、オーストラリアではまずコースを修了しないと、アシスタントとして仕事に就くことが出来ません。(法的拘束力はないようですが、実際コースの修了証がないと雇ってもらえないのが現状です)
ここでは、処方箋の種類、薬局で扱っている薬の種類、接客の仕方などを学びました。またコース在籍中に薬局でワークエクスペリエンスをすることを義務付けられているので、薬局で働きながら実際に使われている英語を学ぶのに役立ちました。しかし英語力不足が壁となり、そこで薬局アシスタントとして正式に雇用してもらうには至りませんでした。

後から考えてみれば、Pharmacy Assistant Courseには行く必要は特になかったかなとは思いました。しかし後に受験したOET(= Occupational English Test)のSpeakingに間接的に役に立ったと思います。また実際に薬剤師として働くにあたって、アシスタントがコースでどんなことを学んできているか把握しているので、彼らを指導するのに今でも当時の経験が役立っています。

話は英語のコースに戻りますが、結局EAPのクラスには1年間在籍しましたが、そのうちの半分もクラスに出席しませんでした。現在はAPECのプロセスに進むには、English Language RequirementsがOETでオールB以上またはIELTS 7以上(各項目最低6.5以上)となっていますが、98年当時はOETの成績(オールC以上)しか認められていませんでした。それでIELTSに重点を置いたEAPのクラスでの勉強に焦りを感じ、学外のOET対策コースに通い始めました。

(次回 「OETに向けて奮闘中の頃」へ続く)






MoMoさんによる連載コラム2:Occupational English Test

2)OETに向けて奮闘中の頃

OET( Occupational English Test) はオーストラリアの国外で資格を取得した外国人医療従事者の為の英語の試験で、Reading, Writing, Speaking, ListeningともにAからEの5段階に分けて評価されます。AはNative English Speakerと同等のレベルとみなされ、BはAlmost Native English Speaker、Cは仕事をこなすのに最低限の英語レベル、DとEは不可です。
私が受験した98年当時は、薬剤師の場合はオールC以上が合格とされていましたが、現在はオールB以上と合格基準が上がっています。

IELTSでは幅広く一般的な語彙を増やす必要がありますが、OETでは医療と健康に関した語彙を覚える必要があったので、ボキャブラリーがIELTSに比べて親しみやすく、また薬剤師となった今でも、その頃学んだ英語のフレーズなどが役になっています。

例えばSpeakingの試験では、薬剤師の立場で患者さんにプライマリーケアーに関するアドバイスや、薬の使い方を説明するという課題を与えられます。試験では試験官との会話は全て録音され、試験当日の試験官とは別に、後日録音を聞いて評価する別の試験官がいます。二人の評価を合わせて最終評価となります。
Writingでは、薬剤師として患者さんに薬の説明を手紙文形式で書く課題が与えられます。これは制限時間が確か30分で、辞書を使うことは全く認められず、スペルミスや文法の間違いは著しく減点されます。
Listeningはテープで医療に関する話題が流され、前半は穴埋め問題、後半はdictationだったと思います。テープは1回しか流されないので、聞き取るチャンスは1回だけです。特に後半のdictationは、前の答えをまだ書いている最中に、次の課題のテープが流れてくるので、書きながら次の課題を聞き取る能力が要求されます。
Readingは医療と健康に関係した長文読解で、設問がいくつかあり、答えを4択か5択で選択するという形式のものでした。
尚、Speaking とWritingに関しては、専門知識を問う試験ではないので、薬学的に間違った内容を言ったり書いたりしても、それは減点の対象とはなりません。あくまで英語の実力のみが採点されます。

97年より以前はQUT(Queensland University of Technology)にOET対策コースがあったのですが、私がOETの受験準備をしていた頃は、政府の予算削減によりコース自体がなくなっていました。しかし対策コースで指導に当たっていた英語教師が自主的に大学の外にOET対策コースを設けてくれたので、そこに4週間通いました。
当時はオーストラリアの薬に関して全く知識のない状態だったので、課題を出されても英語に自信がないのと薬に関する知識不足で、全く何をどうしていいのか分からない状態でした。特にSpeakingに関しては、あまりの情けなさに課題の途中で泣き出す始末で、クラスメートが皆口々に励ましてくれました。また一般的な薬に関しては、英語の先生に薬の使い方や注意事項を教えてもらうような有様でした。

しかし4週間の後には周囲の励ましもあり何とか自信を付け、特にWritingに関しては以前に“English Grammar in Use”をやって文法に自信を持っていたので、先生にも「Writing だけなら今受験しても合格する」と言われました。しかし依然としてSpeakingとListeningは合格圏内ではないと自分で痛感していたので、OETの受験はその半年後に見送りました。
対策コースに通ったのが97年の8月で、OETを受験したのは98年3月です。
その半年間はEAPに籍を置くもほとんど授業に出席せず、ひたすら独学で過ごしました。

Reading対策として、州立図書館で一般向けの医療雑誌や科学雑誌の記事を読み、読解力をつけ、ボキャブラリーを増やすことに専念しました。
Listening対策は、ABC Radioで流れているRadio National Healthを録音し、dictationの練習を重ねました。(Radio National Healthはインターネットで聞くことも出来ます。http://www.abc.net.au/rn/subjects/health/ )
Speaking対策は、その頃でも薬局で無給のワークエクスペリエンスを続けていたので、接客の経験を重ねていくことで、半年後にはSpeakingに自信を持てるようになりました。また薬に関する知識不足を補うため、一般向けの処方薬に関する本やOTC薬の本で薬局にある薬の種類を覚え、その説明文を読むことで薬の知識とボキャブラリーを増やしていきました。
Writingに関しては、受験直前までは特に何もしませんでした。
98年3月にまた同じOET直前対策コースに2日間通い、特に別室でSpeaking対策を重点的にしてもらい、1度目の受験で合格することが出来ました。

=おまけ=
OET対策コースのWritingの課題で書いた文章です。日付を見ると、97年の8月に書いています。10年以上も前に書いたものですが、今読み返してみると随分と不自然な感じのする文章だと思います。”You mustn’t…”なんて日常的にほとんど使いませんし、最後のセンテンスも今書くならば“Should you have any concerns….”にします。今同じ課題を与えられたら、全く違う文章になるでしょう。
こんなWritingでも評価はBをもらいました。とりあえずご参考まで。

Dear Mrs Charlton,

I am writing this letter to inform you about your new medication: drug X. This medicine is used in the treatment of hypertension, and as you see on the label, it is to be taken one tablet after food every morning.

The effect of drug X may be affected by other medication. In addition, this medicine may cause side effects such as thirst, dryness of the mouth, lethargy and drowsiness. Therefore, if you either want to take other medicines or have any symptoms, which seem to be caused by the medicine, please contact your doctor or me.

Please note that you mustn’t take this medication with alcohol. Additionally, the dosage must be controlled only under the doctor’s supervision.

Should you require any further information regarding this medicine, please do not hesitate to contact me.

Sincerely yours,


(次回「The University of Queenslandの薬学部3年次の聴講生時代」)





MoMoさんによる連載コラム3:Pharmacy School

3) The University of Queensland (UQ)の薬学部3年次の聴講生時代

OETを受験する少し前の98年の2月から、UQの薬学部3年次の授業の一部に、聴講生として出席しました。その頃の薬学部は3年制で、4年目にPre-registered Pharmacistとして1年間研修を行い、その後試験に合格してから薬剤師登録されるというプロセスでした。
(現在のUQ薬学部は4年制となっており、5年目に研修があります。また他大学の新設の薬学部は4年半でMasterまで取って、その後1年の研修を行うところもあります。)

聴講生として出席した科目は”Clinical Pharmacy Practice”で、これは大講義室にての授業が2コマ、Dispensing とExtemporaneousの実習が水曜の午後半日にかけて、それからTutorialが1コマでセットになっていました。
当時の私の英語力では、大講義室でマイクを使って講義している先生の話はなんとか聞き取り理解することが出来たのですが、Tutorialに関しては全くお手上げ状態でした。
Tutorialというのは、30人くらいの学生が一部屋に集まり、講師がその部屋で質疑応答を交えた授業を行うのですが、事前に手渡される資料もなく板書もほとんどありませんでした。さらに講師のボソボソと喋る声が聞き取りにくく、おまけに早口で何を言っているのかサッパリ理解できず、周りの学生がひたすらノートを取っている中、私はただ呆然と座っているしかありませんでした。また学生の質問も早口で聞き取りにくく、当時の私にはとても苦痛な時間でした。周りの学生は「日本人の薬剤師だ」と知ると、目をキラキラさせて日本の薬事情について矢継ぎ早に質問してくるのですが、それに満足に答えることも出来ず、自己嫌悪に陥る毎日でした。
Dispensing とExtemporaneousの実習課題は、そのままAPECのStage 2の実技試験に繋がる内容でした。しかし当時の私の英語力と薬に関する知識では、とても課題を十分に消化しきれませんでした。実習の前には必ず予習が必要で、私は1週間に二晩かけて予習しましたが、内容の半分も理解することが出来ませんでした。

Extemporaneousに関しては、聴講生時代に大きなカルチャーショックを受けました。
ホウ酸か何かの(昔のことなので正確には覚えていませんが)○%水溶液を作って、全量を100mLにするという課題を与えられたときのことです。私は日本の大学の4年次の研究室での経験を思い出し、メスフラスコを探し始めたのですが、どこにも見当たりません。見つかったのは100mLのメスシリンダーと100mLのビーカーのみです。これでどうやって正確に全量100mLを量るのだろうと思って周りを見渡すと、何とみんなメスシリンダーにホウ酸と水を入れ、ガラス棒を突っ込んでかき混ぜているのです。
また外用薬を作るときに乳鉢と乳棒を使うというのも、大きなカルチャーショックでした。日本では乳鉢と乳棒は内服薬の混合や、錠剤を潰すときにしか使ったことがないので、まさか外用薬の混合に使うとは思ってもみませんでした。国が違うと随分やり方が違うものです。

こう書くと聴講生時代は苦痛の連続のように思われるかもしれませんが、悪いことばかりではありませんでした。周りのアジア系の学生には随分と親切にしてもらい、ノートを貸してもらうなどして、よく助けられたものです。また”Clinical Pharmacy Practice”の科目の一環として薬局での実習があり、OET対策コースでお世話になった英語の先生の紹介で、とある薬局で実習をすることになったのですが、その薬局のオーナーから「見習い薬剤師として働かないか」と仕事のオファーを受けました。96年に来豪してから丸2年で、やっとフルタイムの仕事にありつけたのです。当時の時給は$12くらいでしたが、無職の時代が2年続いた後でしたので、仕事があるだけでとても有難い思いでした。
こうして私は聴講生としてはセメスター1(前期)で前期試験を受けることもなくドロップアウトしましたが、薬局薬剤師見習いとして第一歩を踏み出したのです。

(次回 APEC Stage 1の問題の傾向と対策)





MoMoさんによる連載コラム4:APEC Stage 1

4)APEC Stage 1の問題の傾向と対策

APEC Stage 1 は日本人にはお馴染みの、マークシート形式(MCQ: Multiple Choice Question)の筆記試験です。
試験は2日間に渡り、第一日目、二日目ともに2時間の間に100問の設問に答えます。
詳しくはStream A Candidates Information Handbook に載っていますが、第一日目は有機化学・化学構造式に関する問題(20問くらい)・薬理学などで、第二日目は計算問題(20問くらい)・OTC問題・ケーススタディーなどです。回答はだいたい4択か5択です。
日本の薬剤師国家試験に比べると、難易度はそれほど高くはありません。計算問題は極端に言えば日本の中学の数学で習う食塩水の問題の応用のレベルで、おまけに電卓使用が許可されています。ただし油断は禁物で、問題の読解力は絶対必要ですし、選択枝に使われている言葉の意味を知っておく必要もありますので、薬学系の語彙を出来るだけ増やす努力が求められます。
また、特に第二日目は臨床薬学系の問題が多く、日本の大学では習っていない内容も出題されますので、独学で勉強するしかありません。
尚、試験では電卓以外は持ち込み禁止です。

以下は私がStage 1の前に使用した本のリストです。
・ Appleton & Lange Review of Pharmacy by Garry D. Hallら (USで出版されている問題集です。1500問ほどのMCQと解説付きです。Stage 1の第一日目の問題は、20%くらいがこの問題集から出題されました。計算問題集の中にoz(オンス)をmLに、Ib(ポンド)をgramに変換する問題がありますが、オーストラリアでは正式には日本と同じ単位(mL, g, mg)を使用していますので、米国の単位の変換問題をやる必要はありません。)
・ Comprehensive Pharmacy Review by Leon Shargelら (同じくUSで出版されている参考書兼問題集です。構造式が豊富に載っているので、第一日目の化学構造式に関する問題の対策にも使えます。)
・ Symptoms in the Pharmacy – A Guide to the Management of Common Illness (OTCを求めて薬局に来る患者さんへのカウンセリングのポイントや、ドクターへのreferral pointが解り易く書かれている本です。)
・ Australian Medicines Handbook 通称AMH (APECプロセスにおいて絶対に必要な本です。特にStage2の受験に必要です。Stage 1の問題は主に一般名で出題されるので、まだ商品名を覚える必要はあまりありません。しかしStage 1の前にAMHの各章の最初の部分を読んでおき、メジャーな薬と商品名、副作用や常用量は覚えておくほうが良いでしょう。)
・ Australian Pharmaceutical Formulary and Handbook 通称APF (同じくAPECのプロセスにおいて必ず必要になる本です。)
・ この他、以前はAPECがPharmacokineticsと計算問題の解説と練習問題がセットになったソフトを、フロッピーディスク5枚組で有料配布していたのですが、独学で学ぶのに非常に役立ちました。但し現在も入手可能かどうかは分かりません。APECのwebサイトに記載がないので、もしかしたら配布していないのかも知れませんが、一度APECに問い合わせてみるのも良いでしょう。

=出題された問題の一例=
・ 選択肢(5つ)から不飽和脂肪酸を選ぶ問題
・ ステアリン酸の化学式を5つの選択肢から選ぶ問題
・ 水酸基が3つ、アンモニウム基が1つ付いた芳香族の化学構造式が与えられ、この物質を水に溶かしたときに、液性がどうなるかという問題
・ ステロイドの化学構造式が5つ与えられ、その中で女性ホルモンを選択する問題
・ Phenytoinの化学構造式が名前を伏せて与えられ、この構造式に一番関連が深いものを5つの選択肢から選ぶ問題(Phenytoinは選択肢になく、代わりにPhenytoinの別名が選択肢にありました)
・ フェノチアジン骨格を選択肢から選ぶ問題
・ 細胞膜の内側に、細胞の外側の液体より浸透圧が低い液体を注入したとき、細胞がどうなるか(破裂するか、しぼむか、そのままか)選択する問題
・ ある物質のpKaが与えられ、pHいくらの液体に溶かしたとき、何パーセント溶解するか、5つの選択肢から選ぶ問題
・ kの値が与えられ、半減期を計算する問題
・ 同じくkの値が与えられ、Shelf Life (= t 90%)を計算する問題
・ MAOIを服用中に摂取を避けるべき食品や薬物の問題
・ パーキンソン病が発生するメカニズム
・ 高血圧の原因として最も多いもの
・ IbuprofenのSide Effectsでないものを選択する問題
・ MethotrexateのAntidoteとして使われる薬物を選択する問題
・ Ventolin MAの1puffはSalbutamol 何microgramに相当するか
・ Anginine tablet 1錠に 含まれるGlyceryl Trinitrateの量
・ 血栓予防に使われるアスピリンの服用量
・ 経口避妊薬を服用していて、服用を止めたのに生理が来ないと言って薬局に来た女性に薬剤師として最も適切な対応を選ぶ問題

* 試験直後は半分くらいの問題を覚えていて書き取っていたのですが、その紙が行方不明になり、今覚えているのはこれくらいです。
* 私の後に受験した人の話では、Appleton & Lange Review of PharmacyのCurrent Editionからの出題はそのときにはなかったけれども、この本の過去のEditionから大量に出題があったとのことでした。昔の本も入手できれば目を通しておいたほうがいいでしょう。


(次回 PSA Intern Pharmacist Programについて)






MoMoさんによる連載コラム5: Intern Pharmacist Program

5)PSA Intern Pharmacist Programについて

さて、薬局で見習い薬剤師としてフルタイムで働く傍ら、私は前の章で述べた参考書や問題集を使い、Stage 1に向けて勉強を始めました。最初は分からない言葉ばかりで、辞書を引き引き一晩に問題集を10問やるのが精一杯でした。この頃、以前英語のコースで先生に奨められた方法で、アルファベットのタグの付いた罫線だけの安い電話帳型ノートを買ってきて、調べた単語をその電話帳に書いていき、自分専用の辞書を作りました。この方法で薬学に使用する専門用語のボキャブラリーが飛躍的に増えていきました。

Stage 1の受験はOETの1年後、99年の3月でした。Stage 1に合格した後は、 QLD州のAPECの試験官とのInterviewを経て、正式にPre-registered Pharmacistとなることが出来ました。その面接で試験官に言われたのは「日本の薬学生はオーストラリアよりも高度な知識を持っているけれど、実技は全くやってなくて試験さえもないらしいね。あなたの経験では実技試験重視のStage 2に一回で合格するのはなかなか難しいよ。PSAのIntern Pharmacist Programに通いなさい。」とのことでした。

PSA (Pharmaceutical Society of Australia) というのは主に薬局薬剤師の為の薬剤師会です。(Web site: http://www.psa.org.au/ )
大学の最終学年で病院または薬局にて1年間の薬剤師研修を受ける薬学生のために、Intern Pharmacist Programを主催しています。薬学生には必修のプログラムとなっており、このプロセスを経て研修の終わり頃に最終試験を受け、晴れて薬剤師となることが出来るのです。
このコースでの課題を以下にリストアップします。
・ Assignmentの提出(3回):1回のAssignmentは30~40ページに渡るものでした。薬局での実務に直接関係した設問があり、記述式の問題に回答を書き、自分の指導にあたっている薬剤師にチェックしてもらい、PSAに提出し採点してもらいます。
・ Presentation (2回):薬学生同士の小グループでPresentationを行い、指導官の採点があります。私のときは1回目が糖尿病について、2回目が喘息と喘息薬についてでした。
・ PSA主催の月に1度あるレクチャーへの出席:(出席はその都度記録され、1年に10回の出席が求められました)
・ PSAから送られてくるAustralian Pharmacistという雑誌についている薬剤師生涯教育プログラムの記事を読んで設問に答え、回答をPSAに送付する。(年間10回だったと思います)
・ Senior First Aid CertificateをPSAのコース中に取得する。(First AidコースはAustralian Red Cross, St John Ambulance Australiaなどがあります。)
・ PSA Intern Pharmacist Programの最後にAssignmentに関する筆記試験を受け、合格した薬学生は薬剤師登録を受けることが出来る。
注)現在のIntern Pharmacist Programは、この他にAPCATと呼ばれるMCQ (後に述べますが、Stage2での筆記試験と同じもの)と、実技試験もあるようです。

さて、話は元に戻り、APECの試験官とのInterviewを終えた私はすっかりパニックになっていました。「後はAPECのStage 2だけだ!と思っていたのに、PSAのコースまでやらなきゃいけないなんて…」と激しく落ち込んでしまいました。そういえばAPECのパンフレットに「The interviewers may recommend that a candidate undertakes further studies to improve their communication skills」と書いていたのを思い出しました。

Interviewの後、その頃勤めていた薬局に出勤して事の事情を話すと、薬局のオーナー(私の指導担当薬剤師)が私を励まして元気付けてくれました。その薬局のオーナーには大変お世話になり、PSAのAssignmentの添削もしてもらい、その後も何かあるたびに力になってもらいました。お陰さまで私は悪戦苦闘しながらも、何とかPSA Intern Pharmacist Programの全ての過程を終え、PSAコースの最後の筆記試験も無事合格することが出来ました。
さて、次はいよいよAPEC Stage 2です。これに合格さえすれば、晴れてオーストラリアの薬剤師免許を取得できるのです。

注)つい最近APEC Stage 2の前にNFECEという法規と計算問題の試験が導入されましたが、私はこれを受験したことがないので、この手記ではこの試験についての記述は割愛します。

(次回 APEC Stage 2 について その1)






   
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